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イノベーションワークショップ2011

「東アジアのビジネスチャンス」第4回~シンガポール:高成長の背景にある経済政策と資本フロー

当日の様子

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    当日の様子

参加者の声

・概要がつかめ、たいへん勉強になりました。
・国家的戦略などの面で、シンガポールの優位性を再検討する必要があると思った。
・内容が少し難しかったですが、シンガポールの経済政策についての理解を深めることができました。
最終回となる第4回は、クレディ・アグリコル証券会社東京支店チーフエコノミストの関戸孝洋様を講師に迎えて「シンガポール:高成長の背景にある経済政策と資本フロー」をテーマに講演いただいたあと、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の瀬口清之様コーディネートのもと、参加者による質疑応答を行いました。

【開催概要】

日時
2011年9月9日(金)18:00~21:00
会場
フューチャーアーキテクト株式会社(東京都品川区)
テーマ
「シンガポール:高成長の背景にある経済政策と資本フロー」
講師
クレディ・アグリコル証券会社 東京支店 チーフエコノミスト 関戸孝洋様
コーディネータ
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 瀬口清之様
講義概要
シンガポールは経済政策により成長した国である。経常収支も対GDP(国内総生産)比の黒字がASEANの中で突出している。しかし、経済成長が必ずしも政権安定につながらない点は他の東南アジア諸国と同様で、輸出依存度が高いことから世界経済の影響を大きく受けやすいのも特徴だ。金融危機などの対外的危機へ迅速に対応するため、シンガポールは戦略的な経済政策を実施してきた。60~70年代にかけて、リー・クアンユー(初代首相)を中心に輸出強化による外貨獲得を進めた一方、国内の企業を統括管理する持ち株会社を設立し、その配下で国営企業を育成していった。80年代後半には、シンガポールを物流や調達のハブとして活用する企業に対してタックス・エグゼンプション(税金の免除)を行うようになり、90年代後半は多角化した対外経済関係づくりに注力。アジア通貨危機をきっかけに、2001年には育成した地場産業を国外で成長させるべく、中国・インド市場へのプラットフォーム活用政策を明確に打ち出した。現在も様々なタックス・エグゼンプションを提供することで外資系企業の進出を促しているがいま日本企業に求められるのは、そのメリットを享受するための交渉力である。シンガポール政府は民間や外資系企業を巻き込んで幅広く意見を取り入れる「経済戦略委員会」を09年に設立するなど、今後の経済政策を戦略的に練っている。政府が戦略的な分、企業側もそれ以上に戦略的でなければならない。
主催
フューチャー イノベーション フォーラム
協力
フューチャーアーキテクト株式会社